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(下記は一部行事案内から転用しています)
 《旅行会の案内》
   ー2021 (令和3)年度秋の旅行会延期分復活開催のご案内一
 昨年度(令和3年度)の秋の旅行会は、新型コロナウイルスのため中止し延期となっていましたが、
緊急事態宣言の解除もあり下記の通り復活開催いたします。
 今回の旅行会は、テーマ"海"ということで、千葉県および関東の最東端で太平洋に面した町<銚子>
を訪ねます。海岸部は水郷筑波国定公園に指名されており、醤油などの醸造関連遺産は近代産業
遺産、港町の歴史的町並みは日本遺産に、それぞれ認定されています。古くから港町として栄え、日
本一の水揚げ量を誇る銚子漁港を有し、3つの卸売市場を抱え、全国の水産物流拠点の役割を担う
日本有数の水産都市です。

◎旅行日   令和4年4月24日(日) ~25日(月)
◎行先     千葉県銚子市
◎宿泊先   犬吠埼温泉 ぎようけい館 (銚子市犬吠埼10293 )
                (創業明治7年、数多くの文人・画家に愛された由緒正しい名旅館)
◎日程 (---鉄道、 ==バス、 .........徒歩)
   1日目  銚子電鉄銚子駅---外川駅・外川ミニ郷土資料館.......外川の街並み.......
         外川駅---犬吠駅.......ぎようけい館(泊)
   2日目  ぎようけい館.......犬吠埼灯台.......地球の丸く見える丘展望館.......犬吠駅---銚子駅==
         ポートセンター(昼食・ポートタワ-・うおっせ) ==銚子駅
◎募集人数  12名(先着)
◎会費(事前振り込み)   20,000円
       宿泊費( 1泊2食飲み物代税込)
       入館料(地球の丸く見える丘展望館・ポ-トタワー・犬吠崎灯台)
       交通費( 1日目銚子一外川間電車料金)
◎その他の会費(各自個別支払い)」
       上記会費以外の交通費(バスはICカ-ド可)
◎持ち物  雨具
       歩きやすい靴
◎申込み締切   3月31日 FAX (03-3524-3074)又はメ-ルで申し込みください。

        撮影;大泉清 


“廃線危機”の銚子電鉄に乗り終着駅へ。
 翌日は汐風に誘われて犬吠埼灯台への春の旅

                               大泉 清
 銚子といえば、白亜の犬吠埼灯台。昭和32年(1957年)に公開された松竹映画「喜びも悲し
みも幾年月」(主演:高峰秀子、佐田啓二)を見てからの灯台好きの筆者にとって一度は行って
みたい灯台だった。それと”廃線の危機”が伝えらる銚子電鉄。一面のキャベツ畑の中を走るブ
ルーの車両。これにも乗ってみたい。名物となった「銚電のぬれ煎餅」も食べてみたい。こんな想
いを込めて集合場所の東京駅に向かった。
 4月24日(日)東京駅地下3番ホームに大泉、前田、新井(嘉)、平井の4人が集まり9時32分
発の総武快速に乗り込んだ。千葉駅で10時17分発の銚子行きの総武本線に乗り換えたが、東
京から約3時間も掛かる(JRで2640円)。銚子は遠い。12時17分に銚子駅着。昼飯時なので 
いったん外に出て駅前をぶらぶらしながら食堂探し。開いている店が少なく、港町らしい雰囲気
はまったくない。
 食堂を探していると、後ろから新井嘉昭君の怒鳴り声が聞こえてきた。土地の男が棒をもち、
目の前の男性を殴っている様子をみて「暴力はやめなさい」と注意したところ相手が逆上して喧
嘩に。新井君の怒鳴り声は迫力があった。抑えた声だが腹のそこから怒っているのがよくわかる。
グッと睨見つけた目が鋭い。旅にハプニングは付きものだが、新井君のこの怒鳴り声には皆も
驚いた。やっと見つけた食堂で「鯖の塩焼き定食」を食べる。 銚子電鉄銚子駅14時05分発の
銚子電鉄で終点の外川(とかわ)に向かう。終点までわずか20分だが、車窓からどんな景色が
見えるのか?興味深々のローカル線だ。
 市街地を抜けると車窓からキャベツ畑が見え出したが、すでに大半が刈り取られている。出荷
された後なのだろう。イメージした緑のキャベツ畑でなかったのは残念。途中で「髪毛黒生(かみ
のけくろはえ)駅」があった。この珍しい駅名は育毛シャンプー会社がネーミングライツで買った
そうだ。駅名売却も”廃線危機”銚電の赤字解消のひとつと言う。
 14時27分に終点の外川駅に。大正12年に建築された木造駅舎でレトロな風情。かっての主
力車両「デハ800型」が展示されていた。まず、外川ミニ郷土博物館へ。昔の写真や資料が並べ
られ町の歴史がわかる。江戸時代に紀州から移住して来た崎山治郎右衛門が町を開発、その
時に醤油の作り方を紀州から持ってきたーーの話は面白かった。館主の話を聞き終わり外に出
ると雨、町歩きは諦めた。若い2人連れの女性に出会ったので、声を掛けた。「雨になったので、
海岸をを歩いただけです」との返事だった。
 銚子電鉄の犬吠駅に戻り、しばし休憩。売店で名物の「ぬれ煎餅」を買って食べた。銚子特産
の醤油の旨味を生かした煎餅で柔らかく食べやすい。どしゃ降りの雨の中、新井と前田が酒を
買いにコンビニに向かった。この町で唯一のコンビニだそうだ。夜食の時に飲む酒の準備である。
旅館からの迎えのバスにのって、午後5時頃に本日の宿「ぎょうけい館」に着いた。

<若山牧水や高浜虚子らも泊った老舗の宿>
  翌日は歩いて白亜の犬吠埼灯台へ

 古くから海辺のくつろぎの宿として知られる「ぎょうけい館」は明治7年の創業で、多くの文人や
画家が泊まった。高村光太郎は「智恵子抄」をこの宿で書き、若山牧水は大正8年に「久しくも見
ざりしかもと遠く来て けふ見る海は荒れすさびたり」と詠んだ。岬の先端にそびえる灯台に打ち
寄せる太平洋の怒涛を詠んだと、言われている。この歌碑は灯台下の遊歩道にある。また、「古
い映画ファンにはお馴染の東映映画の最初に出る「東映」の文字と共に出てくる怒涛が打ち寄せ
る海岸は、この宿の下の海岸だす」(銚子市観光協会の話)。
 宿でくつろいでいると、幹事の沖田隆一君がやっと到着、これで旅のメンバー6人が揃った。午
後7時から夕食、銚子港に揚がった食材を使用した海鮮料理は地元の味がした。夕食後は沖田
幹事の部屋に集まり懇談。ここで新井がコンビニで買ってきた酒が役立ち、全員で酒盛り。浴衣
になりリラクッスしての懇談は話が弾む。各人がいろいろな人生経験をしており、この体験を語り
合う。仕事の話もあれば昔の恋の話題も出て、笑いあり、納得の相槌ありといった感じで2時間
はアッツいう間に過ぎた。こうして旅先の夜は更け行く。
 翌25日(月)は昨日とはうって変わって晴天。朝食の後で歩いて犬吠埼灯台へむかった。目の
前に見えているが歩くと15分かかる。道は坂道で大泉はついて行くのに精一杯だった。白亜の
犬吠埼灯台は点灯が明治7年、高さは27㍍。英国人が設計した西洋型第一灯台で、日本では
24番目に点灯された。ロープ式の狭い階段があり、フーフーと息をはきながら一番上までの登
った。見渡せば太平洋だ。風もきつい。高校時代に見た「喜びも悲しみも幾年月」の主題歌(若
山彰が歌った)を思い出し、{喜~びも 悲しみも 幾年月ーー」と口ずさんだ。この歌はカラオケ
での私の持ち歌である。海風を受け、汐の香りを胸いっぱい吸っていると、登ってきた疲労感も
吹っ飛んだ。この旅行の最大の見せ場を十分に楽しんだ。灯台からの帰り道に高浜虚子の句
碑があった。「犬吠の 今宵の朧 待つとせん」と彫られていた。昭和14年4月、虚子が日本探
勝会の吟行で詠んだ句である。
 一度宿まで戻りバスで「地球の丸く見える丘」を目指す。展望館の屋上からは水平線の両端が
丸みを帯びて見えるからこの名前が付いたそうだが、この日は靄がかかっていて視界不良、水
平線は見えなかった。帰りは歩いて犬吠駅を目指すと、途中にはポピーや大根の花、菜の花が
咲いている。行き交う人もなく、のどかな春の旅のひと時だった。。
 銚子電鉄犬吠駅から再び銚子電鉄に乗り銚子駅に向かう。12頃に着いたが、すぐにバスで
ポートセンターに向かう。銚子港のすぐ前にあり、高さ約47メートルの展望台からの360度の
大パノラマが売りのタワーだ。。太平洋と利根川の河口が見渡せる。このタワーの「ウオッセ2
1」で昼飯。地ビールの九十九里オーシャンビールを飲み海鮮丼を注文。驚くほど海老やウニ
が盛られており、お腹一杯になった。お土産を買う店が1階に並び、ここで前田さんがいきいき
しながら買い物の夢中だった港町らしく朝、水揚げされたヒラメを持ち帰り用に買っていた。
 午後5時頃にIRの銚子駅から帰路に着いた。銚子はけっこう遠い。自宅の調布に戻ったのは
午後8時を回っていた。コロナでステイホームが続いたので、久し振りの旅行。念願の銚子電
鉄にも乗り、犬吠埼灯台にも登った。1泊2日の旅だったが、素敵な思い出が出来た旅だった。
旅行をスケジュールを組んでくれた沖田幹事に感謝、感謝。

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