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令和4年10月30日(日)~31日(月) 秋の1泊旅行 群馬県の四万温泉
移りゆく紅葉の季節に、四万の病を癒す
四万温泉でゆらり、のんびり湯めぐり

                   (法学部法律学科卒) 大泉 清

<四万温泉の前に中之条の歴史と民俗の博物館へ。吾妻地方の歴史と民俗資料を見る>
 JR上野駅14番線ホーム、東北や上越方面に向かう在来線の出発ホームだ。乗車するのは上野発
9時ちょうどの特急「草津31号」。昭和10年代後半生まれの昭和の人間にとっては北への旅立
ちはやはり上野駅だ。「津軽海峡・冬景色」の一節「上野発夜行列車に乗って北へ向かうーー」の
情景が浮かんでくる。新幹線ではない旅立ちは20年ぶりか?
 上野駅からは大泉、平井、前田、木村の各君4人が乗り、新井嘉昭君は赤羽、古谷君と沖田君は
大宮から乗車。11時には8人全員、JR中之条駅に降り立った。目指す四万温泉はここからバス
で行く。
 お昼時だったので、まずは腹ごしらえ。駅前の蕎麦屋「はやしや」に立ち寄った。天ぷらそばを
頼んだが、中には「すいとん」を注文したのも4名ほど。壁ぎわを見ると、なんと三遊亭竜楽のサ
イン入り色紙が10枚近く飾られているでなはないか? 10月20日に竜楽の独演会を聞いた港
区の内幸町ホールで聞いたばかりだ。 落語に詳しい古谷君が「竜楽は前橋出身だからね」と店主
に語りかると、「竜楽さんは年に何回か中之条で寄席を開きます。その度に寄ってくれます」との
返事が戻って来た。竜楽が地方でも寄席を開いている話ははじめて聞いた。
 昼食後は中之条の街歩き、坂を登って歴史と民族の博物館「ミュゼ」(入館料200円)へ。明
治初期の擬洋風建築・旧吾妻第三小学校校舎を活用しており、明治時代の小学校の教室に古代から
近代・現代までの民俗資料が約6000点も公開されている。中に入ってまず手入れの良い廊下に
驚いた。ピカピカである。戦国時代展示コーナーでは甲州・武田氏の吾妻進出と越後の上杉氏との
攻防の武具や古文書。江戸時代末期の蘭学者・高野長英の蘭語で書かれた教え「滴水穿石」の原文
もと展示。これから行く四万温泉の明治から昭和初期の歴史的な写真も見ることが出来た。吾妻郡
略年表も素晴らしい資料だ

<”四万ブルー”の四万湖に立ち寄り、午後3時半頃に四万温泉に到着>
 博物館前のバス停から14:15発の関越交通バスに乗って四万湖へ。山間の道を走り14:30分
着。四万川をせき止めたダム湖で湖面の”四万ブルー”が美しいと言われるが、湖面近くに降りた
時は午後3時過ぎで、それほどの美しさは感じなかった。天候や光の加減で美しさを変るのだろう。
1時間ほどで四万湖と別れ、予定を早めて四万温泉に向かう。バスで約30分ほどで、3時半頃に宿
の四万グラウドホテルに着いた。四万温泉の老舗旅館「四万たむら」の系列ホテルであっる。
 ホテルに着くなりいきなりのハプニング。今回の旅は全国旅行割引を利用しており、フロントで
コロナワクチン3回目の接種済証明と本人確認のための運転免許証かマイナンバーカードの提示が
求められる。幹事の沖田君が各自から預かることになったが、前田さんだけ3回目接種済証書がな
い。彼女は「世田谷区から届いた5回目の接種説明書を持って来たのよ」と言う。普通ならこの封
筒に4回目接種済証が入っている。封筒やバックをひっくり返して探すこと約20分、他のメンバ
ーも一緒になって探した見つからない。もはやお手上げ、沖田君と前田さんが2人でフロントに行
き事情説明。結果は「群馬県は5回目の接種説明書でもOK」ということになり全員が安堵したが、
人騒がせの忘れ物騒動になった。だが、参加者は怒ることなく静かに大人の対応、このあたりが4
0年会にいいところだね。
 いったん各自の部屋に入り、荷物を置いてすぐにロビー集合。四万温泉の人気スポット・積善館
の前の赤い橋に向かう。旅行前に中之条観光協会で四万温泉の撮影ポイントを聞いが、即座に「積
善館前の赤い橋は午後5時頃からライトアップされ、SNS映えスポットです。夕食前に行ってく
ださい」との担当者が教えてくれた。積善館は約300年の歴史を持つ湯治宿で、人気アニメ「千
と千尋の神隠し」のモデルとなった旅館としても知られている。赤い橋からライトアップされた本
館を見ると、どこか幻想的な光景に見えて来る。全員で記念写真を撮った。
 夕食は午後6時から、5階の大食堂でバイキング方式でお酒は飲み放題。コロナ禍らしくマスク
と手袋をして料理を取りに行くスタイルだが、今一つ夕食の雰囲気が出なかった。のが残念。これ
もコロナのせいだ。
 このホテルには7階に展望風呂のメルヘンの湯、地下1階に露天風呂の岩船の湯がある。各自好み
の風呂に入ったが、筆者は岩船の湯に。露天風呂に浸かりながら紅葉の木々を見上げると、まさに
静かな山の湯。4万の病に効くと言われる四万温泉の醍醐味を満喫した。いったん部屋に戻り、参
加者全員が幹事の部屋に集まり酒盛り。これは40年会の旅行の決まりみたいもの、わいわいガヤ
ガヤで夜は更け行くーー。

<7つの庭を持つ中之条ガーデンズ。ローズガーデンや町民花壇をゆくり散策>
 翌朝は午前6時頃に起きて、昨晩入らなかったメルヘンの湯へ。遠望風呂らしく山から登る朝日
が見えていた。ただ少しぬるいと感じたので、もう一度地下の岩船の湯に降りた。ここでゆっくり
温まり、午前7時45分からの朝食の席へ。朝食後はホテルの売店で全国旅行割引で貰ったクーポン
3000円で各自温泉饅頭などのお土産を買った。
 まだバスの出発まで時間があったので、ホテル前を流れる川沿いの湯を見学。岩の多い川床のす
ぐ側で、中を覗くとまるで洞窟風呂のようだった。
 四万温泉発10:10分のバスで中之条ガーデンズに向かう。昭和レトロな温泉街の狭い道を降
りてゆく。昔懐かしいスマトボールや遊技場の看板も見える。
 10:38分に中之条ガーデンズに到着。ここは10年ほど前に中之条町が作った町営の施設。
7つの庭を持つ広大な庭園で、四季折々の花や草花が訪れる人を楽しませてくれる。
 まず、入口近くのローズガデンから。約400種類、1000本のバラを中心にデザインされお
り、秋のバラが我々を迎えてくれた。赤、黄色、白など10月の末でも綺麗に咲いていた。庭内に
カフェがあり平井君のおごりでフレッシュなリンゴジューをいただく。
 次は、町の人たちが作った町民花壇へ。地元のご婦人たちが自分たちの花壇の花の植え替え中。
少し話をしたが、毎月2回は手入れにい来るそうだ。この後、東屋に寄って水を飲み、スパイラル
ガーデンへ。直径40メートルの渦巻状の植栽で、夏から秋にかけて紫色のアゲラタムが美しい。
ただ、10月末でほとんどが枯ており、ほんの僅かに紫色の花が見れるだけだったのは残念。
 昼食は茶屋・山野草で。まず缶ビールを8本注文したら、なんと6本しかないとの事。店の評判
料理はカレーライスと店主が言うので「8人分と注文」したら、なんと5人分しかない。仕方なく
3人は蕎麦を頼んだが蕎麦も売り切れ、残っているのはラーメンだけとの話に全員啞然呆然、ゆっ
たりした店だったが、田舎の店らしい雰囲気を1時間ほど楽しんだ。この日は秋晴れ、群馬の空が
美しい。最後は入口近くのショップでお土産買い。残ったクーポン(2000円分)で地元のレア
チーズケーキやリンゴジャムなどを買った。バスの出発までに2時間はある。買い物の後は前のベ
ンチに座り談。小春日和で日焼けしそうだったが、東京ではめったに出来ない日光浴となった。
 15:33分のバスで中之条駅へ。15:55分に到着して、16:06分発の特急「草津4号」
で上野へ。上野着は18:09分。参加者8人の内、終着駅上野まで乗ったのは4だけだった。湯
巡り、ハプニング、のんびりした茶屋の店主など多くの思い出が出来た楽しい旅だったね。

        撮影;大泉清 

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