戻るトップページへ戻る

(行事案内案内から一部転用)
第72回鑑賞会 (狂言 やるまい会)
 「那須の語り」は「平家物語那須与一」からの能「屋島」の間(あい)狂言で、与一
弓引きの武勇を、義経・側近実基・与一そして語り部の四役を、身振りを交えて語り
分け、狂言師の実力を問われるという演目です。
 又三郎の嫡男信朗(のぶたか)さんがつとめます。野村家歴代の幼名・小三郎襲名
もそう遠くはないでしょう。こんな処も見どころにお楽しみ下さい。
                          常任幹事 前田紘子  
◎ 日  時    平成29年10月29日(日) 13時開演
◎ 会  場    喜多六平太記念能楽堂  JR、東急、地下鉄「目黒駅」近く
◎ 番  組    「鎌腹」     野口隆行・松田高義 他
            「狂言語・那須語」 野村信朗(高2) 東京 初演         
            「二人袴」   野村又三郎、奥津健太郎、奥津健一郎(中2)
◎ チケット代   4,000円(中正面指定席)

第72回鑑賞会 狂言「やるまい会」 10月29日(日)
    於;喜多六平太記念能楽堂(目黒)   参加;6名
二週連続の台風襲来、大雨にもかかわらず客席は満席でした。
今回の」公演は次の世代を担う若手の腕試し、試金石の濃いものでした。演目は三題。
鎌腹(かまばら)」は駄目夫としっかりものの妻、この夫婦喜劇の典型的パターン。男の
意地と面子、本音と建前、夫婦のやりとりの中に笑いとペーソスが感じられます。どこか
現代のうだつの上がらないサラリーマンと重なります。ほぼ独り芝居で野口隆行が熱演、
見せました。
「狂言語」 会主野村又三郎の後嫡信朗が平家物語那須与一を典拠とする軍事物を
<仕方話>という身振り手振りの所作を伴なった語り。一人四役で語り分けます。16歳
にしてこの語りを演じきったのは流石です。固さがとれ余裕を持って演じるようになればさ
らに演技に巾が出て来ると思います。
「二人袴」は聟入りの儀式をする倅を心配した父親が舅宅まで見送ります。ところが運悪
く先方の太郎冠者が父親の顔を見知っていたため父親にも座敷に通るよう言われます。
想定外の事で一着しかない正装の袴を代わる代わる着て挨拶する父親と聟になる子、
ここからお話が盛り上がります。人情の機微が出て笑いがあり人気曲の一つと云われる
のもうなずけます。聟役の奥津健一郎、成長著しく、又三郎と父健太郎を相手に臆する事
なく演じ切り楽しませてくれました。本公演最大の収穫でした。

                                      古谷泰久

戻るトップページへ戻る