文楽「仮名手本忠臣蔵 」公演は9月16日(土)午後2時30分から6時まで上演され、参加者20名、41会関係10名、小金井支部8名、知人2名でした。
国立劇場会場40周年記念公演、三部構成の全段通し公演のうち 、第二部 五段目山崎街道、六段目勘平切腹そして七段目祇園一力茶屋までをみる 。
映画、TVの忠臣蔵と違って文楽の原作は床本のストーリーを読むだけでもおもしろい。 切符は完売、満席。いつになく観客も盛りあがっている。五段目写楽の浮世絵で
有名な斧定九郎の派手な悪党と殺し、一転イノシシの登場と鉄砲の音、思わぬ金 と縞の財布が勘平を切腹に追い込む六段目。一気の展開である。七段目は華やかな祇園の茶屋を舞台に由良助の心底探ろうとする動きと哀れなお軽の心情を描名場面。義太夫の仮床の出語りと掛け合いはめずらしく、また長唄の演奏も太棹
の重たさに味わいを加えて、人間国宝の蓑助が由良助をつかうなど文楽協会の総 掛かりですばらしい舞台である。通しの都合で第二部に七段目がついていたので、ちょっと得した感じである。
<参加者の感想>
映画や講談などにより道行きなどは知っていたが、忠義の心をもってお軽は苦
界 へ、勘平は切腹、追死をもって殉じたことをこの度初めて知った。各太夫の素晴
ら しい熱演に涙すること度々であり、文楽の奥の深さを再認識した。 他の参加者もみな満足して帰路につきました。(小金井 T・S 氏)
女性観客は、苦界に身を落とすお軽が父に会えずに別れるのが辛いという場面で涙し、男性観客は婆に責められた勘平が自ら命を絶つ場面でこみあげるものを必
死にこらえる。時空を超えて、生身の人間の息吹きが迫ってくる文楽の素晴らしさ
を >実感する。海外にでかける日本人も、戻ると「自分は日本を知らない」と口々に
云 う。グローバルな活動が増加すればするほど、自分たちの古里や民族、文化が意
識 されることになるのだとつくづく思う。(知人 Y・S 氏)
間近でみたら、人形があんなに大きなものとは知らなかった。(小金井 K さん)
文楽をはじめてみせてもらいましたが、こんなに洗練されて完成されたものとは知りませんでした。また、案内してください。(41会 N さん)
いつも観やすい席を準備してもらいありがとう。忠臣蔵が独参湯(起死回生の妙薬)といわれる所以がよくわかる芝居ですね。(41会 T・I 氏)