幻と化した青梅マラソン
2008年2月3日開催中止
入江昭雄
(「白門41会だより」第37号より)

 
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 「第42回青梅マラソン大会」は大雪のため中止。12年前も同じく大雪のため中止となった。この時は、30回の記念大会で歴代優勝者が招待されていた。勿論、第1回大会の覇者中大同期の「若松軍蔵君」もその一人。「若松軍蔵君」と言えば、第40回東京箱根間往復大学駅伝競走大会10区(アンカー)の走者。9区の選手から「たすき」を受けた時、先行する日大とのタイム差2分40秒・距離にして880メートル。その差を一気に縮め、先行する日大の選手を浜松町の増上寺で捉え一気に抜き去り、大逆転劇を演じて不滅の中大6連覇に貢献したヒーローで、白門41会のメンバーです。
 前日、「かんぽの宿・青梅」で、宿泊メンバー「平山久子・田辺貴美子・大島哲雄・直井誠・入江昭雄」5人で前夜祭。大会当日の予報は「大雪」。30回大会同様中止の可能性が話題になった。30回記念大会の時は「若松軍蔵君」が招待されていたが、今回は欠席(雪男?)しているから大丈夫かなぁ・・・等々、彼の功績と憎まれ口を言って宴が賑わったことでした。
 そして大会当日を迎えました。まず、お年寄りの順に目が覚めたようです。私が最後に起きて多摩川を眺めると、凛として果てしない白銀の世界に驚き。眼下は白一色。積雪10cm以上。その中を多摩川の清流が何事もなかったかのように静かに流れている様は、なんと素晴らしくも美しくも幾重にも映りました。
 そんな悠長に雪を見て楽しんでいるわけには実はいけないのです。白門41会のメンバーの人が、大会の中止を知らずに、雪の中を応援に駆けつけている時間だからです。平山女史を筆頭に皆で手分けして大会中止を知らせました。
 午前8時、かんぽのレストランで雪見酒を始めました。積雪10cmに更に降りしきる雪。正に絶景。朝風呂(温泉)に入っての一杯はまた格別の味でした。生ビールを数杯飲んでほろ酔い加減になったところで、これから大会会場に出かけて参加賞をもらい、その後、いつもお世話になっている青梅の「久保田邸」にご挨拶に行くことにしました。
 「かんぽ」から青梅駅まで、新雪のぬかる雪を一歩一歩踏みしめながら20分〜30分掛けて徒歩で行きました。河辺駅から会場へ。会場から久保田邸へ。久保田邸に着いたのがお昼前。玄関で、走るのを諦め宴会に切り替えたと思われる田口昭夫夫妻と合流。まもなく田中兼勝君も到着。久保田邸では、早くから関係
の方へのお世話に奔走されている藤本正子ご夫妻とお会いし、宴会の仲間入りをさせていただきました。
 1階のお座敷に目一杯の人人人。ビール・お酒・焼酎・ワイン、そしてご馳走をしっかりいただきました。東京都・青梅の各陸協のお歴々の方々と至福の時を過ごさせていただきました。それにしても、あれだけ多くの人々にお持て成しをしてくださった久保田夫人・正子様初め皆様に感謝と感激の気持ちで一杯でした。心から厚く厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 次の青梅マラソンは、角田 勝団長のエールをもらって頑張りたいと思っています。次回も熊本から出て行きます。 (入江昭雄)

     残念でした、第42回青梅マラソン
              田口 昭夫

 今年の青梅は残念だった。42回目にして2度目の雪による中止(過去1996年の第30回大会が中止)である。
 今回は大会史上空前の2万人規模であったが、前日に冬期特有の西高東低の気圧配置となり、シトシトと降る雨が夜半には雪に変わってしまった。
 朝6時30分時点では、何とかやりたいとの気持ちがラジオを通じて流れ、私も車中の人となったが、7時に“中止”が決定されたとの電車内アナウンスに、周囲から大きな溜め息。ランナー・市民・ボランティア・大会関係者の熱意は届かなかった。この日のために皆さんご苦労さまでした。
 河辺駅に降り立つと、一面の銀世界、10cmを越えて、まだ降っている、これじゃ走れない。こうなると人間面白いもので、無償に走りたくなるのである。「お歳ですからね、ムリは禁物ですぞ」……誰?
 河辺の青梅市総合体育館はところ狭しと大勢の人でゴッタ返していたが、何とかゼッケン・記念Tシャツの他、昼食に用意されたおにぎりを確保して、前日から「青梅かんぽの宿」に泊まっている入江・直井・大島・平山・田邉さん達と連絡をとり、毎回着替え場所にさせていただいている青梅陸協前会長の久保田さん宅で落ち合うこととした。久保田さん宅には既に藤本夫妻・田中さんが到着していて、やがてみんなと合流した。
 その頃には、大会役員・関係者や東京陸協幹部、東洋大・亜細亜大関係者など約40人が集まり、各部屋に分散して賑やかな宴が始まった。久保田さんも病院から帰宅され、米国帰りの娘さんも含めて大いに盛り上がった。
 ほろ酔い加減で、ふと時計に目をやると、すでに14時を過ぎていた。
代替開催はないので、次回は第43回大会、2009年2月15日の開催となる。「お互い元気で練習に励みまた会おう」との約束を交わし、雪の青梅を後にした。
大会は中止となったが、思わぬ番外編で、またまた楽しい出会いがあった。こうした出会いで新たな情報にも遭遇するし、新たな財産を手にすることができ、幸せそのものである。                                (田口記)