同期の絆・300里を行く…
原始の秘境・知床の旅

田 口 昭 夫





 9月14日、JAL513便へ41会有志17名が搭乗。9時快晴の空に向けて“知床大自然の旅”への出発である。
 もう心は青春時代そのものでルンルン。1時間30分で千歳空港に降り立ち、岩田添乗員さんと合流、さあ出発。まずは富良野ラベンダー園。金本ガイドさんのお薦め“ラベンダーアイスクリーム”を片手に散策。 
 次は、お待ちかねの旭山動物園。先祖に会えるとあって浮き浮き。北極熊には悠然とした用たしで歓迎?され、熊舎もソコソコにチンパンジーとご対面。そして鋭い眼光で身構えるオオカミ舎を横目にオランウータン舎に向かった頃には、既に16時30分、お休みタイムとやら。何人かはコチラ系なのに残念。でも、アザラシ君の垂直遊泳、レッサーパンダの吊橋渡りに満足顔……よかったね。
 途中立ち寄った「セブンスターの木」とは、実はカシの木。気分転換の記念撮影。今夜のお宿は「当地でも1、2番に位置するお宿」との説明に一同大喜び。ところが当地(温根湯温泉)の旅館は2件のみ。お宿に着くなり、まず夕食。いつものとおり宴会の始まりである。そうなると時間も忘れて二次会へと進むのが、当会の慣わし。ご多分に漏れず夕方からかなり冷え込み、100%温泉に大満足。単純である。いや〜身も心も暖まり、「イビキ組」と「静か組」に分かれて……ハイ!お休みなさい。
 二日目は、7時30分、一路網走に向けて出発。ここで一行からお別れする仲間が出るかと思いきや、何と全員収監拒否、車窓から眺めながら次の行程にレッツゴー。この辺はハッカの原産地、歯磨き粉だけでなく、足裏に貼って熟睡効果あり、肩こりにも効くらしい。ガイドさんは製薬会社の回し者かと疑いたくもなる。流石に北海道は広い、バスでの移動時間の長いこと、一面たまねぎとジャガイモ、からし菜の世界である。
 網走を後にして、いよいよ日本最後の秘境といわれる“世界遺産知床”である。一同心弾ませて、シカとの出会いを楽しみながら、まず縦走して知床五湖(うち一湖と二湖)を散策、天候にも恵まれ最高の気分で足も軽やかである。
 次は、大型観光船“おーろら”491トン、定員400名、長さ45m、幅10mの船に満杯。早や宴会に心弾ませる者に朗報とばかり、予定より一便早く船上の人となった。ウトロ港を出発して約1時間30分、知床半島を右に眺めながら、1661mの羅臼岳(今日も噴煙をあげている活火山)、三峰岳、サシルイ岳、オチカバケ岳、硫黄山等々の勇姿に見とれる。海岸線はいずれも激しく浸食され、至る所に自然の滝、人間を寄せ付けない。奇岩群にはウミウやウミネコ等のコロニーが一杯。ひょっとしたらヒグマが見れるかも知れないとの予報に一同目を凝らすも残念。中間点で引き返し、知床峠からは羅臼岳、国後島を眺望し、今夜のお宿である川湯温泉に到着、目が輝いた。宴会である。
 最終日、バスで硫黄山を目指す。チョット雨模様となる。やはり摩周湖は“霧〜い〜に〜……”である。霧の晴れ間にチラッと見えた人は幸運。何かいいことでもあったんじゃないの。そして、ガイドさんの羅臼川・カラフトマスにまつわる彦一物語は厳しいオホーツクでの生活を目の当たりにさせ、サケが溯上する石狩川(信濃川、利根川に続く長い川、365km)の話では、このマスは孵化数の70%がメスで、川を下りサクラマスとして溯上してくるが、残る30%のオスは当地に残りメスを待つという。ヤモメ暮らしをするそうな。
 足寄ではラワンブキ、通常目にするフキの4倍とか。マグネシウムが多く、糖尿病・偏頭痛にいいそうな。そして、十勝スカイロードを西へ、日高では馬油足油(混浴?)で、その効用に目を輝かせお買い物……お肌ツルツル?
 ということで、バスに揺られること1100km強。雄大な風景に心洗われ、動植物の生態系との共存と自然保護の大切さを胸に刻みつけ、楽しい触れ合いも無事フィナーレ。JAL540便の機上の人となりました。ご苦労さまでした。