ヤネセンを歩く
2016下町散歩のこと
(「白門41会だより」第57号より)
絵巻 近況報告・エッセー トピックス総目次


 平成28年10月4日(火)白門41会下町散策一行6人は上野駅から根津神社を目指して出発しました。
 当日は10月としては37年ぶりの32°Cを記録するなど、さながら真夏の行軍となり道中懸念もありましたが、先ずは先頃世界遺産となった国立西洋美術館の前庭をロダンの彫刻を鑑賞しながら横切り噴水広場、芸術の小径を通って一路寛永寺へ、途中谷文晁碑、因州池田門(重文)、奏楽堂(重文但し現在修理中)、京成電鉄の旧駅舎、黒田記念館、国立こども図書館等見所満載の中寛永寺根本中堂に到着する。江戸時代は威容を誇ったであろう境内も今は1/10(約3万坪)に縮小され、上野公園のはずれに幼稚園児の声の中ひっそりと佇んでいましたが、川越喜多院から移築した根本中堂(重文)の凛とした姿はさすがに徳川家の菩提寺の感があります。
 参拝後明治時代の酒屋を移築したと言う旧吉田屋酒店に立ち寄り(ここで宮田幹事長は元中大総長の升本屋の「白鷹」の酒樽をめざとく見つけたのはさすが!)、谷中の五重塔跡でありし日の姿を思い描きながら谷中を代表する名刹天王寺へ、ここは私の好きな所であり本堂の廊下に腰かけしばし休息、時折吹く涼風と芝生の緑に癒され朝倉彫塑館に向かう。ここは近代彫刻の巨匠朝倉文夫氏のアトリエ兼居宅で建物が国の有形文化財、敷地全体が国の名勝にも指定されるだけあって展示物、建物、庭、全て見事なものであるとしかいい表せません(是非一度ご覧あれ)。
 ここから今人気の夕焼けだんだんを下って谷中銀座へ、ここを目当てに大勢の外国人旅行者も来ますが何がいいのかナ〜。昼食後最後の見所根津神社へ、それも表門ではなく裏門から入り、時代劇のロケに時々使われていたと言う塀のそばを通って本殿(重文)へ、地区の名勝となっているツツジ園を横目に根津駅到着、解散。
 皆様暑い中無事完走致しました。尚私は同行者二人と共に不忍池を経由し上野駅まで歩きました。総計12,600余歩、8,4qを歩き自宅までたどり着きました。これは以前ならともかく病気後の最長距離で暑さと相俟って「よくぞ頑張った」と同時にまだまだ行けるぞ―――の思い一杯でした。ともあれ参加の皆様、お疲れ様でした。     (土田和正)
※ヤネセンとは谷中、根津、千駄木の頭文字「谷根千」で、その界隈を指した言葉。