この度、白門四一会の宮田支部長さんのお勧めにより入会させていただきました。古参の皆さんからは奇異の念を抱かれるかもしれません。筆者は冥途への土産のつもりです。何はともあれ、よろしくお願いいたします。
さて、新参者の務めとして自己紹介に替えて近況の一端を述べさせていただきます。乏しい生涯の半世は一介のポストマンとして終えました。本稿で語るべき内容は何も持ち合わせていません。退職を機に、離島の高校(鹿児島県立徳之島)時代の先輩に当たる徳山高明先生(東北アララギ会「群山」編集発行人)の勧めで入会し今日に至っています。
「六十の手習い」とはよく言ったもので、今でも趣味の短歌は「老後の手遊び」の域を全く出ません。それでも、近頃は少し余裕が出て参りまして、毎月10首の投稿の他、近県の歌碑巡りをして余暇を楽しんでいます。
そこで、本稿では、せっかくの機会ですので、数基の歌碑を案内してご参考に供したいと思います。
<天地の四方の寄合を垣根にせる九十九里浜に玉拾い居り> 伊藤 佐千夫
(注)建立場所は本須賀海岸の浜辺
<みんなみの嶺岡山の焼くる火のこよひも赤く見えにけるかも> 古泉 千樫
(注)建立地は房総半島の嶺岡山の山峡地
<しもふさの松戸におほく楽しみて少なく愁ふはなのかたはら> 与謝野 晶子
(注)松戸市の「戸定が丘歴史公園」の「ひなげしの小径」に沿って歌碑は建立。
<ふるさとの訛りなつかし/停車場の人込ごみの中に/そを聴きにゆく> 石川 啄木
(注)JR上野駅の構内に建立されている。
最後になりましたが、会員の皆さんがお近くに立ち寄る機会がございましたら、是非、足を止めてご覧いただくように心から念じております。(土岐邦成)
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