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福祉の仕事で思うこと

藤井和彦


 卒業して半世紀以上経ちますが、橋本公亘先生(憲法)の「抵抗権」や下村康正先生(刑法)の「共謀共同正犯」の講義は、まだ頭の片隅に残っています。
卒業後すぐに都庁に入りました。昭和42年は、東京教育大学教授の美濃部亮吉先生が都知事に当選され革新都政が生まれた年でした。その後、昭和47年に北区役所に移り、約37年勤務して平成19年に退職、機会があれば「また福祉の仕事をしたい」と思い、現在は北区・赤羽にある区立/特別養護老人ホームで働かせて頂いています。
 介護になった場合、在宅で介護を希望する人が圧倒的ですが、家族だけを頼りにしているとやがて限界になります。介護保険のサービスを利用して家族の介護をできるだけ減らさなければ、最後まで在宅で暮らし続けるのは不可能です。介護の保険サービスは、医療保険のように保険証があるからといってすぐにサービスは受けられません。元気なうちから関心をもって「あらかじめ知っていればこんな苦労はなかったのに」と言わないようにすることが必要と思います。
 最後に芥川賞作家で文化勲章受章者の田辺聖子さんの川柳を一句。「老いぬればメッキもはげて生きやすし」、皆様お元気で。