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安曇野から、将来の虹をまとう

巣山英毅


 私も、終の棲家として、安曇野に移住してから10年が経過しました。その間は42会の皆さんに会うため、毎年、通算半月位は東京に出掛けましたが、今年は安曇野の生活が主となり、晴耕雨読に近い生活です。新聞2紙を隅から隅まで熟読、猫の額ほどの家庭菜園を真面目に耕した結果、ジャガイモ、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、白菜、キャベツ、ほうれん草、春菊、小松菜、ニンジン、はっか大根と今までにない大豊作の収穫をすることができました。
 安曇野は、3000m級の山に囲まれ、昔ながらの田園風景、屋敷林が至る所にあり、北アルプスの山から流れる伏流水が豊かな田園を作り、実り豊かな穀倉地帯を作っています。この地には日本的に著名な偉人が沢山輩出されています。日本彫刻の草分けとなった荻原碌山、新宿中村屋を作った相馬愛蔵、国光夫妻は、多くの芸術家や作家等を育てるサロンを運営していました。また、銀座ワシントン靴店を創業(87周年)した東條舟壽(たかし)、最初に安曇野の名称を世に広めた作家、編集者であった臼井吉見の小説「安曇野」は是非一読して欲しいと思います。安曇野の風土は、非常に自由な雰囲気が満杯であり、人は皆暖かく居心地の良い土地です。そんな中、学校であまり学ばなかった近現代史の講座が各所であり、遅ればせながら学んでいます。
 コロナ禍の閉塞状況から、一日も早く解放される事を願いましよう。「下を向いていたら、虹を見る事は出来ない」と「障子を開けてみよ、外は広いぞ」と言う先人の言葉を信じ、この難局を乗り切りたいと思っています。