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人は人で生きている
人生は何度でもアップデートできる

大木田守


 街の主役は人間だ。最後は熱い想いが人を動かす。森ビルの森稔さんの言葉が心に響く。十年近く、東京の街づくりについて語り合ったことが懐かしい。そこには東京都の元副知事、四二会の青山佾さんも一緒だった。その森ビルが、人間を中心に都市の在り方をデザインしていくと、こんな広告を出した。

それでも 人と会いたい。
それでも 人と話をしたい。
それでも 人と仕事をしたい。
それでも 人と遊びたい。
それでも 人と笑いたい。
それでも 人と手をつなぎたい。
それでも 人とごはんを食べたい。
それでも 人とケンカしたい。
それでも 人と助け合いたい。
それでも 人と生きていきたい。

 人生は出会いのドラマと言われるが、私も実に多くの人と出会い、今、財産になっている。
 私は一週間に一回は書店に行く。そこで目につくのが、ジャーナリストをしていたころ会った、なつかしい名前。
 佐藤愛子さんには、「遊びの哲学」をテーマに取材。もう四十年前のこと。百三十万部のベストセラーになった。「九十歳。何がめでたい」を始め「何がおかしい」「気がつけば終着駅」「九十八歳。戦いやまず 日は暮れず」と何冊も。
 作家の森村誠一さんも。出会った時はホテルマンであった。最近出版したのは「老いる意味」。人間老いれば入院もするし、苦悩もする。老人性うつ病を告白し、克服した体験。森村さんが語っていたことが今も心に残る。一つは、ホテルマンはいつも頭を下げていなければいけない、お客さんと上司に。二つは、本を買う時は同じ物を二冊。読んでいて、ここは参考になると思うと、その部分を切抜いてノートにはり、本を書く時に構想をねるために参考にしていた。作家になった当初、毎回出版した著書を署名入りで送っていただいたのが懐かしい。
 森村さんは百歳まで書き続けると言う。人生は何度でもアップデートできる。私は人生のモットーとして「人生は夢の実現、百倍に生きよう」としている。かって世界的に有名な歴史学者トインビー博士がモットーとして「さあ 今日も仕事を続けよう」だと聞いたことがある。
 我々、四二会も、人生の総仕上げに入った。百歳の挑戦をかかげ、共に共にと励まし合って楽しい日々を過ごしていきたい。皆様のご健康を、春・夏・秋・冬いつも心に念じております。またお会いしましょう。