多摩白門会・俳句会
2006年
天 はなやはな忘れな草のここかしこ 小林 誠治
名こそ聞けロックンロールチューリップ 小林 誠治
昭和記念公園のオランダ庭園には珍しい名前のチューリップ
が沢山ありましたね。その美しさ豪華さに一同感動しました。
皆がチューリップに目を奪われている中で、小さく可憐な忘
れな草に目を付けたところは大したものです。
地 チューリップ大空に向け手を広げ 小林 満起子
チューリップ風にゆられて大合宿 小林 満起子
目の前に咲いているチューリップと遠くの大空。近景と遠景
をうまくとらえて景を大きくしました。立派です。
人 白門の集いを祝す花の塚(おか) 花塚 富夫
御自分の名前をうまく俳句に詠み込みお上手です。
白門の集いに参加われたのし 山田 丈夫
季語がありませんね。俳句は五七五のどこかに季語を入れま
しょう。白門の集いに参加しているのは、「われ」ですから、
省略して、「春」という季語を入れてみましょう。
添削 白門の集いに参加春楽し
春暖の昭和公園ポピー満つ 武藤 隆
「ポピー満つ」の季語の使い方がお上手です。
菜の花の中で楽しく生き生き歩く 武藤 隆
五七七になりますので、五七五に直しましょう。
添削 菜の花の中を楽しく歩きたる
桜散りチューリップ我が世と咲きにけり 西村 徳雄
桜散りとチューリップで季語が二つあります。一つを消して、
季語を一つにします。ここはチューリップが主体ですから。
添削 チューリップ平成の世を咲きにけり
春風や仲間の会話弾みたる 藤本 哲也
春疾風リズムを乱すフラダンス 藤本 哲也
レイ風にからまる春のフラダンス 藤本 一美
同窓会はいつも御機嫌朴の花 藤本 一美
俳句は五七五に季語が入ることは皆さんご存知のことと
思います。その他に三つの条件があります。
一番目は「切れ」といって、五七五のどこかで切れると
感動が大きくなります。
二番目は「省略」といって、何がどうしたと説明するのではなく、
少ない言葉で人に想像してもらえる句が良い句の条件です。
三番目は「リズム」といって、俳句を作ったら何回も
これでリズムが良いかどうか唱えてみましょう。
松尾芭蕉は「舌頭千遍」と言っています。
自然の中で自分の出遭った感動を俳句で残しておくと素敵です。
次回はもっと沢山の俳句を期待しています。
藤本かず美