幕末の歴史を訪ねる
下町散歩報告
2019.10.9

土田 和正
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 2019年10月9日(水)今年最強という台風19号の襲来の3日前爽やかな秋晴れのなか一行9名(途中1名合流合計10名)は幕末の歴史に一役買った千葉周作道場(玄武館)跡を訪ねました。ここでは坂本龍馬、清河八郎を始め大勢の維新の志士達が剣を学び日の本の未来を語り合った事でしょう。
 また後年アウトローとなった平手造酒もお玉が池の千葉道場を懐かしんでいる様子が歌われています。「神田お玉が池」は江戸初期までは上野不忍池以上の大きな池があったとの事、今はその面影を伝えるものは見られませんが唯一「玉池稲荷」にその名残をとどめています。

          繁栄於玉稲荷神社(別名 お玉稲荷、玉池稲荷)

 池のほとりにあった茶店の看板娘お玉さんの悲話を今に伝える小さな祠を詣でビジネス街をしばらく歩くと地下鉄小伝馬町駅の上が江戸時代から明治初期まであったいわゆる「伝馬町牢屋敷」跡である。当時2600余坪という敷地の中に身分別に収監した牢屋敷があった。今はその一部が供養の為の寺と公園になっている。ここでは幕末にあった「安政の大獄」で捕らえられた吉田松陰、橋本左内他大勢の志士達が処刑されていた。また270年の間にどれだけの人達が処刑されたことか嗚呼―――。

       吉田松陰や橋本左内も処刑された江戸伝馬町牢屋敷処刑場跡

 昼食、歓談後日本橋浜町に住むという41会会員の大野雅久氏と合流、椙ノ森神社へ、ここは江戸時代の富くじ興行、現代は「べったら市」の会場として有名、そのべったら市を10日後に控え会場の造営で取り込む中それぞれ「富くじ」の幸運を祈念し参拝した。
 次いで下町商店街の雰囲気が残る人形町甘酒横丁を散策、筑後国の総本社を勧請したという水天宮を参詣、安産の神様だけに若い人たちの参拝者が目立つ神様は公平に老人達も守護してくれるものと信じて心を込めて参拝し今日の行程を終える。

        べったら市を控え会場造営中の椙森(すぎのもり)神社

 先の大野氏には仕事の合間をぬって出迎え、途中合流また参加者への手土産まで頂きありがとう御座いました、誌上を借りて改めて御礼申し上げます。
 追伸:来年の企画の打診がありましたが目下鋭意検討中、皆様の期待に応えられればと思っています。(2019年10月 土田和正)