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 第11回 南方向だけ国が建設
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2024年3月11日
 第11回 南方向だけ国が建設

 東京から東北西それぞれに向けて「私鉄」により鉄道が開業しますが、「南」方向だけ「国」が建設しています。といっても3方向よりずっと以前に建設・開業をしたものです。国すなわち明治維新時の政府が考えたものですが、江戸(東京)から京都・大阪への交通手段としての鉄道がいちはやく計画・建設されました。
 1872年(明治5年)新橋・横浜間の鉄道が開業したことはよく知られています。「新橋駅」の場所はいまのシオサイトで、いま山手線電車の駅「新橋」は当時「烏森(からすもり)」といって、後述する東京駅が開業したときに新橋を名乗りました。
 「横浜駅」は現在の桜木町駅です。建設計画では大阪方面へ延長する予定がなかったのでしょうか。まず東京と横浜を結ぶこと、これが大命題であったのかもしれません。いまの横浜駅は第3目です。第2代目の駅は高島町あたりにありました。
 「東京駅」は計画段階では「中央停車場」と呼ばれていました。新橋まで行かなければ列車を利用できない不便さを解消すること、東京の中央にターミナルを集中させたいことなどを配慮して「三菱ケ原」に土地を買い占めていた岩崎家から土地を譲り受け、駅となったもので、ずっと後の1914年(大正3年)に開業しました。(写真は現在の東京駅)
 最初の東京駅は深谷のレンガが使われていました。深谷のレンガ工場は岩崎家の経営でここにも岩崎家とのつながりが感じられます。