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下記は行事案内から一部転用しています。

第57回鑑賞会のご案内
― 文楽へようこそ―

人形浄瑠璃 文楽
人形浄瑠璃は、人形と人形遣い、太棹の三味線に浄瑠璃でストーリーを語る大夫、
これらが一体となっておりなす舞台芸術です。
歌舞伎とはまた違った魅力ある世界が楽しめます。 
                           常任幹事 前田紘子
◎ 日  時    平成27年12月13日(日) 11時開演
◎ 会  場   国立劇場小劇場(東京メトロ半蔵門線半蔵門駅)
◎ 演  目   二人(ににん)禿(かむろ)
          【解説】文楽の魅力
          三十三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
◎ チケット代  3,200円(3,900円のところ割引)
◎ 申し込み  11月30日(月)までに、ハガキ・FAXまたはメールにて申込むと同時に、
          下記口座にお振込み下さい。
          チケット代金振込をもって予約完了とさせていただきます。

(下記は会報掲載用レポートです。)

観劇会に参加して
初めての文楽(国立劇場)

前田常任幹事のお世話で、初めて文楽を鑑賞する機会を得ました。
前々から一度、文楽を観たいと思っていましたので案内を頂きすぐ
申し込んだ次第です。
今回の演目は「二人禿」「三十三間堂棟由来」の二つです。
今回は文楽入門というタイトルにもあるように初心者にもわかるよう
に途中で「文楽の魅力」と称して義太夫・人形・三味線・黒子の説明。
次いで本日の演目の内容などの説明がありました。お蔭でストリー
もよくわかり大変面白く鑑賞させてもらいました。
観客には中学生・高校生も多く、古典文学を理解するのにも大変良
いことだと思いました。

「二人禿」は京都島原遊郭の禿二人が道で出会い他愛無い日常会
話をしているところを演出したもので、禿一体に黒子3人がついて、大
夫の浄瑠璃に合わせて人形を動かしていました。人形だけが浮かび
上がり黒子は気にならないから不思議です。

「三十三間堂棟由来」は熊野の山中で茶店を営むお柳と、仇討の成
就の祈願のために母と旅をしていた横曽根平太郎は縁あって夫婦
になります。お柳は熊野の山にある柳の大木の精だったのです。5年
を経過して子供のみどり丸も生まれ平和に暮らしていました。
しかし三十三間堂を建立するために柳の大木は伐採され京に運ば
れることになりました。柳の伐採は母であるお柳の死を意味します。
お柳から真実を聞き悲しむ親子、柳の木を伐る音、伐採した柳を運
ぶ木遣り音戸の歌声、すると途中で柳の木が突然動かなくなってしま
います。平太郎は警護の人に願い出て、みどり丸に綱をひかすと忽
ち母の名残の柳の木は静かに動き出します。物語は単純ですが数
多くの人形とそれを動かす黒子の人達、それにマイクなしで劇場一
杯に響く太夫の浄瑠璃、人形は一言も喋らないのですが、あたかも
人形が喋っているように太夫の声が聞こえます。大夫は一人で何人
もの声を使い分けます。劇場が観客も太夫も人形も一つの坩堝に呑
み込まれたような感じで、しばらくは文楽の余韻にひたっていました。
このような素晴らしい観劇を企画頂きました幹事の方に改めて感謝
致します。
本日の感想を歌にしてみました。

   袖口に顔をかくして人形は頭をゆらす笑ひゐるらし
   平太郎は刀ふりあげ立ちまはる人形にして黒子は見へず
                        平成28年1月30日
                        田渕 裕彦 

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