駿河台はいま…

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御茶ノ水駅に降りる。
神田川を跨ぐ聖橋と土手の緑が懐かしい。そう、駿河台で学生時代を送った者には通い慣れた駅だ。
改札を出ると、すぐ目の前には日販の入った「新お茶の水ビル」が、道を挟んで左側には「日立製作所本社ビル」が聳えたつ。まるでビジネス街のようだ。“神田カルチェラタン”はどこにいったのだろうか。
ひとまず坂を下りていこう。青いドーム屋根が見えてきた。ニコライ堂は健在だ。ロシア正教の大主教訪日にあわせて塗り直されたと聞く。昔より色鮮やかに感じるのはそのせいか。鐘が鳴る、正午を知らせる鐘の音だ。懐かしく思い起こす人もいるだろう。
そのままダラダラ下ると、日大の理工学部校舎がある。中大多摩移転のころ
と同じ姿だ。
その先、文学部棟があったところには、やけに横長のビルが建っている。そうか、講堂の敷地と併せてビルにしたのだなと納得する。
ど~んとばかりの高層ビル。これが、かつての駿河台校舎に建った「三井住友海上本社ビル」だ。勉学に励み、サークル活動に精進し、授業のあと友の姿を探した、あの駿河台キャンパス。広かったんだなあと思うか、案外狭かったんだと思うかは、それぞれの大学経験で異なるかもしれない。いずれにしろ昔日を偲ぶ建物は何も遺されていない。付近にあった雀荘や学生向 けの喫茶店や食堂などもなくなり、いかにも会社員相手といった飲食店が並ぶ。
旧南門のあたりにある「ここに中大ありき」の石碑によって、やっと、ここに母校があったことを知るといっても過言ではないだろう。
旧南門からお茶の水方面へ足を運ぼう。角に太田姫稲荷のある、一本、水道橋寄りの道だ。
約100メートルほどいった右にあるのが、大学会館跡地に建つ我が中央大学駿河台記念館である。1階にレストランの入った7階建ての瀟洒なビルだ。この最上階にあるのが学員会本部事務局や大学の学員ネットワーク課など卒業生が関わる事務室。よく支部の総会などが開かれる会議室、学員なら誰でも利用できる談話室などもある。
さあ、駿河台に行ってみよう。
そして中央大学駿河台記念館を訪ねてほしい。
駿河台の魅力は、日々新しい街並みが生まれている反面、昔ながらの佇まいを残す場所があるところ。御茶ノ水駅周辺の「楽器店街」、神保町の「古書店街」、小川町の「スポーツ店街」と、足を延ばすのもいいだろう。通い詰めたお店が、昔と変わらないかたちであるのを発見する楽しみもある。
経済学部 宮川 保 2002.5